· 

落ち着きと凛々しさと


(お写真、お借りしています)

 

 

かおっちゃん

 

こちらは連日30度ほどの暑さが続いて1週間。

ここまで高温が続くと、後には激しい夕立がきて暑さを静めてくれる、と思っているのですが、夕立がくる様子もありません。

そんなわけで、冷房が完備していないフランスでは寝苦しい夜が続いています。

 

さて、国民栄誉賞受賞日の、羽生君の紋付羽織袴姿。

仙台平の絽の袴とともに、清涼感と凛々しさにあふれた颯爽としたお姿でした。

 

あの羽生君の姿をみて、人間国宝の甲田氏に思いをはせつつ、「矜持」と書いていたとき、ひとつの場面がわたしの脳裏に蘇ってきました。

 

それは、高橋大輔さん、浅田真央さん、羽生君の3人いっしょのインタビユー場面。

高橋大輔さんの言葉で、羽生君が15歳であることがわかります。

(2010年のNHK杯の記者会見)

 

2010 NHK Trophy interview -

 

このインタビユー・シーンを初めて見た時、わたしは軽いショックを覚えました。

羽生君の、若い年齢をものともしない、凛としたたたずまいと落ち着き。

記者たちに対する、きちんと吟味された言葉での見事な受け答え。

それらが非常に新鮮に心に響いたのです。

 

そして今、再びこのヴィデオを見てみましたが、この15歳の羽生君に、

ゆるぎもしない矜持がすでにしっかりと認められることに、あらためて驚かされました。

 

これは、自分の進んでいく道とその進み方を、頭の中でしっかりかたちにしていた人の

落ち着きであり、それあっての凛々しい姿ではなかったかと思ったりするのです。

 

平凡な人間には難しいことですが、おののいて劣等感にさいなまれるかわりに、

せめて千分の一でも、こんな姿に近づけたら、と思ったりする今日この頃・・・。