かおっちゃん
羽生くんの国民栄誉賞受賞式のときの写真や映像をいくつか拝見しました。
羽生くんは、なんのてらいもなく、凛として、立派でしたね。
彼の羽織袴がどんなに素晴らしいものなのかは、ほんとう、よく見えなくても、しっかりと感じられます。
そして、人間国宝であられる甲田綏郎氏が、羽生くんに値のつかない袴を贈ろうとされたこと。そのこと自体が、とても大きなことだと思います。
そのような方にあっても、羽生くんの精神力、人となり、努力とそれによって成し遂げること、生き方(といってもいいでしょう)に、誇りと感動、尊敬までをも覚えられたから、ということではないでしょうか。
そのうえ、かくも貴重で、江戸時代には伊達藩の殿様だけに着用を許されていた装束を、是非身につけてくれませんか、というメッセージを込めて贈られた、ということになりますね。
しかるべき品を所有し身につける人物には、その品の格にふさわしい品格が求められることがある、とすれば、この袴は、ふさわしい人物がいたからこそあえて届けられた、と言ってもいいかもしれない。
人間国宝の甲田氏が、ご自身の人生に相当する「仙台平」を直々に贈る、ということは、そうそうあることではないだろう、と思うのです。
双方が相携える矜持、を感じさせられるような気がします。
領域こそ違え、相手方に同じように高い矜持を感じあっている侍のような。
そこでは、若いという年齢に言及すること自体、相手に対して礼を欠く・・・。
羽生くんは、国民栄誉賞(記念品は辞退されたそうですね)という賞を、重みを意識して受けとる、という意味のことを言っていますが、この袴も、同じでしょう。
2度のオリンピックでの金メダル、数々のメダル・賞を獲得してきた羽生結弦。
この「仙台平」は、その彼の人格と品格に対しての尊敬の念が織り込まれた、象徴的な品といってもいいかもしれません。
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