かおっちゃん
ビヨンセとジェイ・Zのプロモーション・ヴィデオは5月にルーヴルを借り切って
撮影されのだそうです。
そういえば、この春、ルーヴルで「おや?」と思った日がありました。
普段どおり6時閉館のつもりでいたら、もう少しで5時という時、
今日はもう閉館と言われ、中にいた人たちはみな出口へと誘導されたのです。
そして来館者が地上に吐き出された時、大きなポリス車から大勢の警察官が出てきて、
カルーゼルの凱旋門あたりにいた一般人を、ここにいちゃいけないとばかりに、
追い出し始めました。
春はおそくまで明るいので、ルーヴルの外、続きのチュイルリー公園も、
観光客やパリジャンでいっぱいだったの。
だいたい、どうして、ここから退散させられなければいけないの?
警官たちは、カルーゼルの凱旋門で、あっと言う間にこんな風に横並び。
そして、後退した一般人たちを、さらにじわじわととチュイルリー公園の奥の方へ、
押し出し続けるのです。
横一列になって、何も言わずにずんずんわれわれの方へ進んでくる警察官たち。
「何が起こっているんだ?」
みなは、理由もわからないまま、逆にじりじりと後ずさり。
われわれと警官の距離は約1m半。
これでは、こちらが不法なことをしようとして、機動隊に制圧されている気分です。
同じ状況で、日本なら、
「本日は特別な事情のため、庭園の一部を閉めさせていただきます。ご迷惑をおかけし申し訳ございません。ご了承のほど、云々」の貼り紙とアナウンスがありそうです。
でも、ここはフランスです。
わたしは、石油産油国のお金持ちが大統領といっしょにルーヴル見学かしら?
などと思いつつ、警官にとぼけて聞きました。
「ルーヴルの閉館時って、いつもこんなふうにするの?」
「今日は特別です、マダム。」
お楽しみの時間を邪魔された観光客たちは、せめて写真に撮ってやれ、と、
後方に追いやられながら、この光景をカメラにパシャパシャ収めていました。
警官にカメラを向けて大丈夫?と思いつつ、わたしも。
ルーブルも凱旋門も少しづつ遠のき・・。
まだ十分じゃないのか・・・。
とうとう、こんなところまで遠ざけられてしまった。
締め出された人たちは、柵の外からしばらく様子をうかがっていましたが、
何を知るよしもありません。
あとで、外国の要人が来ているとか、国家行事とかいうニュースもなし。
でも、きっとこの夜も、パワーのある何者かがルーヴルを独り占めしていたのでしょう。
ビヨンセのPVのような、万人への素晴らしいサプライズのためなら、
フランスの宝ルーヴルが一晩独占されても平気です。
でもふだんは、ヴェルサイユ結婚式用に貸切、などと聞くと、
なんだかすっきり納得できないのです。その際の多額な入金があればこそ、
宮殿維持費用もまかなえる、などと考えてもね。
それにしても、この時のちょっと威圧的な締め出し方法ってどうなのでしょう?
まあ、これも旅行中のサプライズで、
みなさん結構面白がっていたかもしれません。
ビヨンセのヴィデオに見るルーヴルは、本当に印象的。
ルーヴルもパリの観光をもいっそう活気づけてくれるに違いありません。
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