グルノーブルからパリへ


 

 

かおっちゃん、こんにちは!

 

なんと、パリー東京の遠隔地FAXにそんな変な内容を書き送っていたなんて!

でも、当時のわたしにとっては一大事だったのかもしれない。

あのころは、国際電話も気軽にかけられる時代でなかったから、

口頭でしたい話も書くしかなかったんだよね。

 

グルノーブルで出会った3博士は、

デニス・テンファンのかわいいTさんの引力によって、

フランス杯会場に呼び寄せられたのよ。

なにしろ、ケーブルカーでもすごいカメラを携帯してたTさん。

そのスケートへの情熱は、対象こそ違え、

科学者が研究分野に没頭させられる熱と同一とみなされるものだったの!

 

会場ではTさん、もっと大きい望遠カメラをプロカメラマンと並んで

撮影していたのよ!

 

きっとTさんとは、またどこかの大会で会えるはず!

再会が楽しみです。

 

3博士はパリの大学でも講演をなさる予定があったの。

わたし、お友達と会う予定があって講演はお聞きできないけど、講演終了時間に、

出口でご挨拶だけでもできるかな?と楽しみにしていたのね。

 

ところがお友達と話がはずみすぎて、

気がついたら講演終了時間が10分も過ぎていた。

わ、いまから向かっても15分はかかる!

ルーブル横のカフェにいたわたしは、それでも飛び出してバスに乗り、

学生街サン・ミシェルまでは行ったの。

ただ、5時の次の予定に遅れるわけにもいかず、

あきらめて降り出した大雨の中を、シャンゼリゼへと方向転換したのです。

 

だから、このチョコレート!  

パリのサダハル・アオキ(日本人パティシエだけど、フランスでも

ショコラ一等賞をとった)。

京都では入手不可能だしと、心ばかりのお土産に用意したのに、

わが家にお持ち帰り・・

 

ジュジュに「3博士に買ったんだけどね・・」と、ことの成り行きを話しだすと、突如、

「なんで!ぼくには?ぼくにはショコラ買ってくれないじゃないか!」と怒り出し、

近づこうとするわたしの手を振り払って、仕事部屋のドアをバーンと閉めちゃった。

 

キャー、ジュジュ、ごめんなさい。

でも、怒らないでよ、こんなことで!

 

これが、お渡しそこねたアオキのボンボン・ショコラだよん!

ジュジュ、機嫌なおったら、いっしょに食べるかなー?