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絵本「あるきだした小さな木」


 

おねえさんへ

 

そう、わたしホントにバラが大好きで、お花が大好きで、

木が大好きなこどもでした。もちろん、今もそれは変わらなくて。

ただね、好きなだけではないの。

本当に植物や自然から大きな恵みをいただいてきたんです。

 

ずっと、PCの前に座っている仕事をしてきたでしょう?

睡眠時間は極端に少なく、徹夜もちょこちょこあるし、

フト気づくと「マズイ!」という状況になっていることがあって。

「今すぐ、緑のあるところに行かなくちゃ!」

というSOSサインが、ピコピコピコ!と点滅している感じ。

 

いてもたってもいられず、車を走らせ森に行きます。

緑の中をしばらく歩くと

「シューッ…」という具合に木からエネルギーが入ってくるのがわかるのね。

で、ふーっ、助かった… と。

 

家族に病人がいたり、精神的につかれたな… って思う時も、

やっぱり森に行きます。

 

自然はホントにすばらしいよね。

何にもいわないで、ただひたすら与え続けてくれる。

 

大きな木には、すばらしいエネルギーを感じるものがあって。

そんな木の根元に佇んだときに思います。

この木はここに、何百年も前から立ってるんだな。

今までこの木の下に、どれだけたくさんの人が訪れたことだろう、って。

 

「歩き出した小さな木」

この前、おねえさんの好きだった本の中にも入っていたけれど、

この本はわたしにとっても、とても大切な本です。

 

小さな木がパパとママの木から離れ、冒険の旅に出て、

最後に一本の植物も生えていないような砂漠にたどりつく。

そしてそこにしっかりと根を下ろすと、

長い旅でつかれた人や鳥や動物たちが、

木の下で休んでいくようになった。

最後のページを開くと、

前のページまでとは違う木の様子にハッとして、

最後の文章のところで、ああっ!と、感動したの。

何度くりかえし読んでもね。

 

そこには、こう書いてあった。

 

 

 ああ、そうだ!

 もう ちびっこの木では ありません。

 それは もう、

 

 大きな おとなの 木なんです。

 

 

(ボルクマン・さく はなわかんじ・やく)「あるきだした小さな木」より

 

 

わたしいつか、あの木のような人になりたいなって、ずっと思っていたの。